駅の改札ですれちがった美人女性。
仕事の帰りに、駅の改札に着く。
やっと仕事が終わったという解放感と、これからまた少しの間、満員の電車に揺られて帰路につくのかというドンヨリ感を持って改札に臨む。
交通系電子マネーカードを改札に当てて、改札を通り抜けた瞬間、目の前から入れ違いに、一瞬で目を奪う女性が歩いてくる。
身長は168㎝ほどはあろうか。顔がまず小さい。そして鼻筋が通っていて、プチハーフっぽい目鼻立ちが整ったゴマキを可愛らしくしたような美人である。
ただ肝に銘じておかなければならないことは、真に168㎝もあるかは分からないということ。
もともと161㎝程で(これでも十分だが)、顔が小さくて、そこにヒールを履けば身長だけが伸び、顔の比率はおのずと更に小さくなることは往々にしてある。
159cmの子が6~8cmのヒールを履くか履かないかで、見た目がガラッと変わるのはよくあること。
そして、この女性もだったが、美人な女性にほぼ共通するのは、肌が綺麗ということ。
この女性もすれ違う一瞥、ほんの1秒ほどであったが、見る限り肌が綺麗で、肌色が透き通っていた。
綺麗に染められた茶の髪がふんわりとしていて、おおよそOLの帰りには思えず、服装のカッコよさからも普段から❝なにかしら見られる❞職業なのかな推測する。
何より、元カノに似ていた・・・な。
後を尾けてみたい、もう帰るだけだし用事も無いから少し尾けてみたい、、、そんな気持ちも沸き上がったが、もう改札を過ぎてしまった後。
駅員に言って、改札を引き返すほど、そこまで理性がないわけではない。
あと5秒遅ければ、改札入る前にその女性に気付いて、少しだけどこに行くのか見届けたかった・・・な。
こうやって事件や事故に遭う人も、あと数秒遅ければ・早ければ。。。と思うのだろうか。
諦めてホームに降り立つ。
そこにはフツウの女性たちが並んでいて、当然のように。
ああ、これがフツウの女なんだよなと。
女性専用車に堂々と乗るフツウの女性の滑稽さを思い出しながら、あの美女はどこに行ったのか、あの美女と今夜食事をするかもしれないオトコに、殺意とエールを送るのである。